520
 白1の内側からのカカリ。今も昔も変わらない、古式ゆかしい手ですがもちろん好手です。しかし今と昔とでは若干考え方が変わってきました。

521
 昔は黒1とハサむのは白に三三に入られて、後に白からAのカタツキが厳しいのであまりよろしくないといわれていました。
524
 すぐには打ちませんが、つまり後にこのようになると最初に相手の石をハサんだ空間が狭いだろうというのです。確かにその通りで、さらに白▲にも若干の活力が残っています。これは黒の失敗図といってもいいでしょう。

546526
(左図)黒は1と打ったほうが味が良いことが判明したので、今ではほとんどの局面でこのように打つようになりました。この手が打たれるようになってから、この布石で黒の一間バサミが復活を遂げました。
(右図)同じように肩をつかれたときの図。ここでは黒6が本手。すぐに打っておいて問題ありません。手を抜くこともできますが、白の対応によっては難しい変化になります。手を抜いたらどうなるかみていきましょう。

527528
(左図)白2には黒3でOK。黒7と顔を出せば問題ありません。
(右図)白1には黒2、4とどんどん出ていくと白の3子がカス石になります。

529531
(左図)問題は白1です。これには黒2と受けたいところですが白が最強に頑張ってくるとややこしくなるので気をつけてください。
(右図)白4の場合は簡単です。これで要の白2子は落ちています。

532533
(左図)白1と打ってきた場合は黒6までが必然ですが、
(右図)黒5まで、お互いに最強に打ち合ったときの変化図を考えてみます。ちなみに白の正しい手はAです。Aからみていきましょう。

534535
(左図)黒は4が知らないと打ちにくい手でしょう。この手以外ではうまくいきません。
(右図)白1、3と2回も手を戻さなければいけないのが白のつらいところ。大きな石を取られはしたものの、序盤だとこれで黒に不満はありません。

536543
(左図)白1とハネてきたときもAの利きがあるので黒2が正着です。
(右図)白3には黒4とダメを詰めるのが大事。

538
 白はとても形が悪く、ここからは苦戦を強いられそうです。しかし白2子にはまだ活力があり、逃げ出してくるかもしれません。白の一団への攻めに目がいきがちですが、途中で切り上げて黒Aと白2子を取り切るのもとても大きな手です。白2子を取りきれば次は黒Bでセキですから。

539
 最後に白1。やはり白の形がとても悪く、白によい未来は見えませんが一応やっておきましょう。黒4とオシてから6とケイマするのが大切な手です。

541542
(左図)その後、白1の急所には黒2、4とどんどんオシていくことでポイントをあげることができます。
(右図)局面にもよりますが、白5には黒6と無視するのがとても大きな手。右上の黒が死ななければ大戦果です。

545
 この図の周辺は白から色々な手のつけ方が考えられます。次から、A~Dについてみていくことにしましょう。それではまた。



このブログに関して、ご意見やご要望、扱って欲しい戦術などあればよろしくお願いいたします。
コメントもお待ちしています。